MENU

Prologue1|子どもがある朝、難病になって ~小児慢性とどう向き合う?~ 

我が家の息子は、2歳のある日突然、思いもしない病気を発症し、『難病』と診断されました。

健康と疑わなかったその日までとは一転、突きつけられた現実。そこから、どうやって今の日常を取り戻したのかを書きたいと思います。

目次

突然の病気のはじまり

風邪を引いて保育園をお休みして数日がたったある日のこと、起きた息子を見て感じる違和感…

全身に、明らかに風邪とは違う変化が見られました。

病名は伏せたいので、具体的なことを書けずごめんなさい!

近くの診療所に行くと、『今から入院道具を持って向かって。』と、少し離れた総合病院を紹介されました。

言われるがまま、当時産まれて間もない次男も連れて向かったあとは、

息つく間もなく、検査、入院手続き、数時間後には医者からの病名の宣告を受けることとなりました。

『少なくとも1か月の入院になります』と言われても、

え?下の子は産まれたばかりなのに、どうしたらいいの?

1か月も入院しないといけないような深刻な病状かなぁ…

と、先生から感じる緊張感とは真逆の、ぬるい感覚のまましばらく過ごしていたことを覚えています。

少しだけ息子の病気を説明すると、

  • 内臓系の疾患ですが、臓器そのものの疾患ではなく「自己免疫疾患」
    • 自分の免疫が、自分の体の一部を攻撃をしてしまう免疫異常
    • 炎症や機能不全を起こすことで、様々な症状をきたす
  • 対症療法としての薬(ステロイド、免疫抑制剤)はあるが、根本治療する方法は見つかっていない
    • 病気との闘い=副作用との闘い
    • 長期的に病気とつきあっていかなければならない

さらに、息子の病気の持つ傾向として、ざっくり下記の3群に分けられます。

  • 一度発症したきり、二度と再発のない群が3分の1。
  • 再発はあるものの、薬無しで一定間隔以上、寛解を維持できる群が3分の1。
  • 頻回再発を起こし、薬を絶つことが出来ない難治性と言われる群が3分の1。

➡③のみ『小児慢性特定疾患(難病)』となる。

息子は、残念ながら③に当てはまり、初発から3か月後には、小児慢性を認定されることになりました。

それまで大きな病気と縁のなかった私は、ステロイドで一時的に病状がコントロールできただけで、「終わりが見えてきた!」とばかりに安心しきっていました。

そうでなくても、こんなに小さな子が、こんなによく食べてよく遊ぶこの子が、深刻な病気になるはずがないと…。

やっと良くなって希望が見えてきたと思った矢先に、再発。

地獄に突き落とされるとは、このことだと身をもって知りました。

眠れない。

ご飯が喉を通らない。

息をすることも苦しい。

同じ年頃の元気な子を見たくない。

こんなこと、もう次は耐えられる自信が無い…

心は泣いているのに、涙も出せず、辛く苦しい毎日が続きました。

病気を受け入れない決意

そんな中、ただひたすらに考え続けていたのは、このことばかり。

どうして、こうなったんだろう?

どうしたら、治せるんだろう?

気づけば、原因と治療法を探す日々が始まっていました。

弱い私だったから、「病気」を「受け入れる」という選択肢を持てなかった。

病気になったという「事実」は受け止める

だけど、「病気」を受け入れることは出来ない

家族みんなで過ごす当たり前の日常を取り戻したい。

そのための道は、必ずある。

「絶対、病気を治すんだ」と心に決めました。

原因不明の難病に、原因は無いのか?

まず最初にしたことは、病気について知ること。

「病名」で検索して出てくる情報の多くは、今も治療を続け、病気と共存している方たちのものでした。

医師の書く論文や大学の研究など、ネット中を血眼で見て回っても、一番知りたい「何をしたら治った」という明確な情報は無く、そのうち、「難病」や「自己免疫疾患」という広いワードで調べていくことになりました。

そもそもなぜ、〈自分で治せる〉と思ったのか?

起きる物事には必ず因果関係があり、病気という結果の前には、必ず原因があるはずと考えたからです。

『原因は分かりません』

『治療薬はありません』

と言われているのは、科学的にまだ原因が解明されておらず、薬としての治療法が世に出ていないだけであって、

『原因は無い』

『治すすべも無い』

ということとイコールではないと考えました。

さらに、医師から説明された予後は、

  • 成長とともに再発しにくくなり、大人になる頃には寛解する人が多い。
  • 受験や就職など、生活の大きな変化やストレスのかかるイベント後に再発することもある。
  • 発熱等の免疫が働くのを機に、再発することもある。

といった内容でした。

何かしらの原因(引き金となる何か)があって、結果(再発)が現われているのはほぼ明らか。

体質が変わるのを待つんじゃなく、今すぐそれを変えたい!

その「要因」となるものが、今は科学的に証明されていないだけで、病気が治る未来がどこかにある。

答えのない答えを、一つ一つ探る日々が始まりました。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次